刹那の花吹雪

□月下の契り
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女は暫く目を泳がせ、やがて何かを決意したように顔をあげた
「戦に行く前に一晩でいいのです時間をくれませんか?」


「何故?」

「戦に行けば再び会えるのは何時になるか、分かりませんし、最後に貴方の全てを私の記憶に焼き付けたいのです。」
女は振るえる声を隠し気丈に振る舞おうとする


「・・・・・・・承知した。戦に行く前に満月の夜がある。月見でもするか?」


「それでは次の満月の日に」


そう言うと斎藤は踵を返し人混みへと消えて行く


その後ろ姿を美月は寂しそうに見つめ、暫くして団子屋へと消えていった
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