花霞

□侍の誇り
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「・・・・・新選組は新選組ですよね?山南さんは新選組ではないのですか?」
新八の言葉に千鶴は不思議そうに聞き返す。
すると平助は空中に字を書きながらこたえた。
「いや、新撰組ってのは手偏に「平助!」
咄嗟に左之助が平助を殴り飛ばす


驚く千鶴を横目に美月は眉をひそめる。新八はその二人を見て静かに告げた。
「左之やりすぎだ。二人とも今のは聞かせられるギリギリの範囲だ。」
言外にそれ以上の詮索はするなと新八の真剣な目が物語っていた。
「千鶴何か冷やせるもん持ってきてやれ」美月は何事もなかったかのように告げた。千鶴は慌てて部屋を出ていく。襖が閉まり足跡が遠ざかるのを確認すると美月は広間を見渡す。
「安心しろ千鶴を危険に巻き込むつもりはねえ。だが、あまり迂闊なこと言ってくれるなよ?もし千鶴に何かあったら私はてめえらを赦さねえ。」まるで牽制するかのように睨みを効かせる。
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