花霞

□侍と忍
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頓所に着くと二人は部屋に入れられた
「武器は没収する」
土方は手を出して渡すように促す
千鶴は渋々差し出す
「あれ?随分素直だね」
「総司からかうな」
そのやり取りを尻目に
「はいそうですかと預けられるわけ無いだろーが」
美月は語気を若干強める
「何だと」
土方は青筋を立てる
「・・・・・・・・・確かにそれ程の刀。そうそうと他人に預けられる代物ではないな」
一と呼ばれた男は静かに同意する
「じゃあどうすんだよ。斎藤」
苛ついた声で促す
「この刀の良さが分かんのか?」
「一君は無類の刀好きだからね」
沖田が答える
「・・・・・・・ならてめぇになら預けられそうだ。大事に扱えよ」
暫く考えると斎藤に向かい刀を差し出す
「承知した。この斎藤一が預かろう」
刀を大事そうに受け取る

「最初から素直に渡しゃあいーだろ「じゃあ二人とも縛るよ」うが」

土方の言葉を遮り満面の笑みで縄を構える
「遮んじゃねえ!」
土方の注意が飛ぶ
「じゃあ君からね」
土方の言葉も聞かずに美月を縛ろうとする
「・・・・・・・勝手にしろ。跡は残すなよ」
と大人しく縛られる
続いて素早く千鶴も縛っていく
「総司!」
ついに土方の雷が落ちる
素早く縛り終えた沖田はするりと逃げて行った
それを土方は追う


「・・・・逃げようとはするなよ」
そう言うと扉を閉めて出ていく
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