花霞

□侍と忍
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「どういうことだ?」
土方が訝しげに問うと
「首、見てみろ千本刺さってんだろ。医術を嗜んでるんなら分かるが、そこを上手く刺せば仮死状態にできんだよ。仮死状態なら暫くすれば回復する。」
そう言いながら首から千本を慎重に引き抜く
そのまま千鶴の肩を叩き抱き起こす

「もう良いんですか?」
状況の分からない千鶴が戸惑い気味に問い掛ける
「あぁ宿探すぞ」
そう言うと踵を返す
「待て。今帰す訳には行かねえ。頓所まで御同行願おうか」
土方が二人を引き止める
「はあ?何で俺達が同行せにゃなんねーんだ?」
いらりと眉をしかめ
「だって見ちゃったでしょ。そうそう君そこのお兄さんにお礼したの?助けてもらったんでしょ」
総司と呼ばれ男は愉しそうに言う
「えっ。あ、ありがとうございました」
素直に美月に向かいお礼例を言うと
「・・・・・・・・・。」
美月や他の男達は呆気に取られた顔をする
「わ、私も場違いとは思いましたよ。思いましたけど・・・・」
照れたように尻窄みに言うと
「気にすんな。それに唆した張本人笑ってんぞ」
美月は苦笑いで告げる
「あははははは。面白いね君!素直な子は嫌いじゃ無いよ。僕の名前は沖田総司よろしくね」
と告げると
「総司名乗んじゃねえ」
土方が嗜める
「副長此処では目立ちます移動を」
一と呼ばれた男が静かに告げる
「あぁ。とにかく話は後だついて来い」
土方はそういうと千鶴と美月を見る
「どうすんだ?千鶴」
美月が問うと
「行きましょう何か分かるかも知れません」
「分かった」
一言告げると土方に着いていく
月明かりが五人を静かに照らし出していた
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