花霞
□刻(トキ)渡り
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「それにしても世話になったな。名乗り忘れたが私は如月美月だ」
「あっ雪村千鶴です」
慌てて自己紹介をする
「そうか・・・・あんたの親にも挨拶してえ。いんだろ?気配がする」
「目を覚ましたのかい?」
その時、男の人が入って来る
「父様!」
「あんたがこの家の主かい?私は如月美月てもんだ。今回は世話になった」
「いや構わないよ。私は雪村綱道。医者をやっている」
「本来なら礼をしてえとこだが、生憎こちらの世界の金は持ってねぇ」
「こちらの世界?」
綱道が不思議そうに聞くと
「あぁ私はどうやら異世界、つまり此処とはべつの世から来た」
「異世界?」
「あぁ・・・・・」
〜 事情説明中 〜
「信じられん。そんな事が・・・・」
綱道は一つ呟くと
「そりゃあ私だってそうさ。だが実際に起こってんだ。信じるっきゃねーだろ」
「そうだね。所で美月さんといったね?」
「あぁ・・・・」
「これからどうするつもりだい?全く知らない世界何だろう?」
「とりあえずは衣食住の確保と仕事探しだな。帰る方法探しはそれからだ」
「父様、美月さんを家に居候させるのはダメでしょうか?」
今まで口を閉じていた千鶴が提案する
「おぉ、それは名案だ。どうかね?美月さん」
「だがそこまで迷惑かける訳には・・・・・」
美月が遠慮がちに言いかけると
「私、姉様が欲しかったんです!駄目ですか?」
少し悲しそうに言うと
「千鶴もこう言っている事だしどうかね美月さん」
「!分かった。そこまで言ってくれんなら世話になる。今日からあんたは私の妹だ千鶴。よろしくお願いします綱道さん」
一つ礼をして言う