花霞
□侍の誇り
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山南さんが負傷との知らせを聞き賑やかな広間に沈黙が広まる
「あの・・・・山南さんの怪我の様子はどうなんですか?」
千鶴は震える声で問う
「命に別状はないが、手を怪我したらしい」
源さんは暗い顔のまま答える
「命に別状が無いのですね?良かった」
千鶴は少し安心したように息をつく
「・・・・・・・・良くはねーよ。多分な」
美月は何かを考えながら言う
「そうだね、手を怪我したのなら例え刀が握れても鍔ぜり合いになったら押し負けてしまうからね。」
総司が説明をいれるがその顔は暗い
「侍にとって刀は命であり誇りなんだろう?どうすんだ?」
美月は神妙な顔のまま尋ねる
周りはまるで通夜のように静まり返り重い空気が流れる
「山南さんには薬でもなんでも使って貰うしかありませんね」
総司が沈黙を破る
「バカ言うな、幹部が新撰組入りしてどうすんだよ」
すぐに新八が反論する