花霞

□尋問と待遇
1ページ/8ページ

新選組幹部達が勢揃いしている中
美月は千鶴を庇うようにして中に入り座る
千鶴も居心地が悪そうに恐る恐る席につく
すると沖田が
「おはよう大分昨日は良く眠れた?」
「・・・・寝心地は余り良くなかったです」
千鶴は律儀に答え
「ふうん僕が声をかけた時、君は熟睡してたみたいだけど?」
沖田が悪戯っぽくからかう千鶴が驚き、愕然としていると

「安心しろ。総司はお前達の部屋には行っていない」「ああ私も一晩中起きていたが誰も来ちゃいねえよ。(見張りならいたけどな)」

「酷いや、一君。それに君もばらしちゃうなんて」

千鶴が落ち込む

「いつまでも無駄口叩いてんじゃねえ」
終わらないやり取りに痺れを切らし土方が言う


「なあこいつらが目撃者?まだガキじゃんこいつら」
好奇心を隠し切れずに声をかける三人組の一人
この中では一番若そうである
「お前が餓鬼とか言うなよ似たようなもんだろ?平助」
赤い髪の色男が最初に声をかけた男をからかう
原田左之助である
「だな」
隣に座った筋肉男、永倉新八が同意する
「そんな事言ったら二人はおじさんじゃん」
平助と呼ばれた藤堂平助は膨れながら反論する
「新八はともかく俺はおじさんじゃねえよ。俺は」
左之が反論する
「ちょっとまて裏切る気か左之」
まるでコントの様なやり取りの中だが警戒は怠らない


「いつまで無駄話してやがる!」
土方が再び痺れを切らし怒鳴る
「まあまあトシ落ち着いて」
厳つい男が土方を抑える
美月達に向き合うとにこやかに笑いながら続ける
「一晩縛るような真似をして悪かったね。俺は此処の局長の近藤勇という。それから隣は土方歳三で・・・・・」
「近藤さん自己紹介してどうすんだ」
土方がにこやかに自己紹介する近藤を止める
「む。まずかったか?」
シュンとして落ち込む近藤に
「そんくらいなら、大丈夫じゃねーか?知られて困るもんじゃないしな」
左之がフォローをいれる

「そういう問題じゃねーだろ」
土方が反論する
千鶴が肩を強張らせていると
「口さがない人達で申し訳ありません。怖がらなくても大丈夫ですよ」
眼鏡の山南敬助がにこやかに言う
「何言ってんだあんたが一番こえーだろうが」
土方はすかさず突っ込む
「おや?鬼の副長が何をおっしゃるのですか?」
二人の間に見えない火花がちる
「二人とも仲がいいな」
のんびりと近藤が微笑む
「仲いいのかこれ?」
思わず美月は突っ込む
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ