花霞

□侍と忍
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「刀をおさめろ」
男は鍔ぜり合いしながら言う
「この状態で刀おさめろだあ?無理に決まってんだろーが。おさめた瞬間バッサリだろうがよ」
美月は言い返す
「刀をおさめたら斬らねえ」
男が言うと
「・・・・・・。」
キンッ
美月は後ろに飛び刀をおさめる
それを見て男も刀をおさめた



「あれ?良いんですか?斬らなくて土方さん」
最初に斬り掛かってきた総司と呼ばれた男が愉しそうに言う
「副長死体はどのように」
一君と呼ばれた男が問い掛ける
「てめぇら副長とか土方とか気軽に言うんじゃねえ。正体ばれるだろうが」

「もうばれてると思うけど」
愉しそうな声がからかいを含ませ言う

「総司。」
嗜めるように言うと副長と呼んだ男に向かい指示を待つ
「羽織りだけ脱がせとけ。後で山崎が何とかするだろう。にしても頭のいてえ話だ。こうも血に狂うとはな」
副長と呼ばれた男が指示を出し、呟いた

「とても実務には使えませんね」
一も静かに同意する

「おい、ちょっと待て仲間じゃねーのかそいつらは。それから死んじゃいねえし」
美月は思わずつっこむ
「死んじゃいねえだ?死んでんじゃねーか」
土方は倒れた二人を見遣り言う
「そいつらは今仮死状態だ」

「菓子状態?何それ」
総司は不思議そうに問う
「仮に死んだ状態で仮死状態だ。菓子状態じゃねえ」呆れたように美月は言う
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