匂へどもしる人もなき桜花
□序章
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匂へども しる人もなき桜花
ただひとり見て 哀れとぞ思ふ
慶政上人 風雅和歌集
美しく咲き誇っているのにそれを知る人もいない桜花よ、
私が一人で見て素晴らしい風情だと思う。
イタチお前の意思は確かに受け継いだ。私の最後はあの子達は知らないけれど、もう大丈夫。
未来はあの子達に託したから。
誰にも知られずに咲き誇った私とイタチの意思は私とお前だけが知っている。
私はあの桜のように綺麗に散れないけれど、誰かがきっと受け継いでくれるだろう。
だから・・・・・・・・・おやすみ。