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□きゅひょん
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チューするから許して下さい
『あーもうキュヒョンは!
自分でゲーム片付けてよ!』
私はテレビゲームの電源をブチリと切った。その瞬間、体に電流が流れたみたいにビリビリした。動きがピタリと止まった。
考えてみよう、私は今、キュヒョンがやっていた途中のゲームの電源を切った。うん、確かに切った。切れてる。……切れてる?
「おい」
その場から去ろうとしたとき、キュヒョンの低い声が私を呼び止める。肩をびくつかせ私はゆっくりキュヒョンに顔を向けた。彼の顔はお化けより怖い気がした。いや、顔が白いせいか?目つきがもともと悪いせいか?目が近いせいか?分からないがとてつもなく怖い。
『…なに』
「今電源切ったでしょ」
『切ったかも〜』
「切ったかも〜、
じゃねぇよ」
『ごめ…なさい……』
私はとにかく謝ることにした。頭を深く下げて謝った。キュヒョンの表情はここからは見えないが多分爆発寸前だろう。だって彼の大好きなゲームだ。私にはこれっぽっちもできないゲームだ。
キュヒョンの足音が近づいてくる。恐怖感で胸が一杯になる。キュヒョンを怒らせたら誰も止められないぞ?どうするあべ。
「許さない」
『…お菓子買ってあげるから、』
「やだ」
『肩揉むから、』
「やだ」
『そうだ!』
私は頭をバサッと勢いよく上げた。キュヒョンはその動きにビビっている。私はキラキラした目でキュヒョンを見つめた。
「…なに」
『チューするから許して!』
「は」
『ね!それでいいでしょ!?
許してくれるでしょ!?』
「は」
『…やっぱな……、』
「やれ、
やりなさい」
キュヒョンは私の腕を引っ張りキュヒョンの目の前に立たされた。緊張が走る。キュヒョンは「早くしろ」という表情で私を見下す。なんか今更怖くなってきて、私は一歩後ろに退いてしまった。それに気づいたキュヒョンが再び腕を引っ張る。
『わかった、から、
目をつむってくださいよ、』
「うん」
私は背伸びをしてキュヒョンの頬にキスをした。キュヒョンは不満げな顔で私を見下ろす。
私は眉をひそめて頭を捻った。そのときキュヒョンが背を丸めてキスを落としてきた。キュヒョンのきれいな柔らかい唇が落ちてくる。ドキドキして失神しそう。
私は目を大きく見開いたままぼーっと突っ立っていた。キュヒョンは私の腰に腕を回し、深く口づける。
(キュヒョン、また電源切っちゃった…)
(そんなに俺にキスされたいのか)
(ばれた?)
(おい)