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□ヒチョル
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俺様ヒチョル様
『ちょっと離してよ』
「なんだよその口の聞き方」
『離してくださいませんか、
ヒチョル様』
「ヤダ」
ヒチョルが後ろから抱きしめてきて早1分が立った。凄く、邪魔。何考えてんだか知りませんがこの俺様気取り。いつものカッコイイキム・ヒチョルとはひと味違っている。それは髪型の格好。髪型は前髪を上でぴょこんと束ねている噴水スタイル、そして服はグレーのスエット。グレーのね、そこ強調。どんな色よりも気怠くダサく見えます。
「な、俺様のこと好きだろ」
『お前が私のこと好きだろ』
「おい、その口の聞き方は」
『はいはい、
好きじゃなかったら
付き合いませんよヒチョル様』
「じゃあ、あれより好きか?」
ヒチョルは私の愛犬ポチを指差す。ポチは私のもう一人(既に人扱い)の恋人である。ヒチョルは愛犬ポチを"あれ"と呼ぶ。
全く困っちゃいますよね、私の愛犬を"あれ"なんて扱い。ポチっていう名前がちゃんとついてることを彼は知っているのにね、困りますね。
『ポチ、
の方が好きに決まってるじゃない。
わざわざ言わせないで頂戴』
私は大袈裟にアハッハッハと盛大に笑い飛ばした。キム・ヒチョル様大変。機嫌を損ないました。急に私をヒチョルと向き合わせるとまた抱きしめてきた。私はその瞬間「ヌォッ」と短い悲鳴を上げてしまった。
「俺は何よりも
お前が好きだ、
ったりする」
俺様ヒチョル様、
意外と可愛いヤツです。
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