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□じょんうん
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19禁
『嘘でしょ……』
休日のお昼過ぎ、私は一人でソファーに座りコーヒーの入ったカップを両手で持ちながらテレビを眺めていた。昨日男友達が無理矢理「これは見た方がいい!勉強になるし感動する!」と私にDVDを渡してきた。なんか映画らしいけど勉強にならないし感動もしないじゃん。むしろこれは嫌がらせ?いやらしい。映画の内容がR19だ。これは。
この映画を一人でみるというのもなかなか辛い。私はソファーから立ち上がりDVDプレーヤーからDVDを取り出そうとテレビに近付いた。すると家のインターホンが鳴った。しかも普通の鳴らし方ではなく同時に3回鳴らす人。
『……ジョンウンだな、
…どうしよ!どうしよ!
はやく、と取り出さなきゃ!』
焦って手が上手く動かない。コーヒーの入ったカップを落としそうになる。玄関ではガチャガチャと雑にドアを合鍵で開けようとしているジョンウンがいる。
私はDVDを取り出して鞄にしまった。これで大丈夫。それと同時にジョンウンがリビングに乗り込んできた。振り返るとばっちりジョンウンと目が合う。
「よ!あべ!」
『来るなら来るって連絡してよねー』
私は何もなかったかの様にテレビの前から立ち上がり、ダイニングテーブルにコーヒーの入ったカップを置いた。置いたと同時にジョンウンは私のコーヒーの入ったカップを掴むと一口飲んだ。
「……まずい、
なんだこれ」
『コーヒー。』
「お前、ちゃんと毎日
美味しいもの食べてるか!?」
『ジョンウンが食べるのよりは質素だけど
よく食べてる方』
「あ、そう…、」
ジョンウンはコーヒーのカップをダイニングテーブルに置くと私が先ほどのDVDを入れた鞄に近付いていく。私はそれを見て、「アアアアア!」と叫んでしまった。ジョンウンは驚いている。
「なんだよ心臓に悪い」
『勝手に人の鞄見るとか言わないよね?
やめてよ?ね?』
「だってさっきなんか隠してたじゃん」
『…か、隠してないよ!
とにかくやめて頂戴!』
私はジョンウンの元に走って鞄を奪った。ジョンウンは鞄を引っ張ってくる。しかもなんかグイグイ。勢いをつけて引っ張ってくる。すると鞄からDVDが飛ぶ。
『ちょっ!ちょっと!』
「なんだこれ、
見る」
『だめだって!』
ジョンウンはDVDを取り出してDVDプレーヤーに入れる。意図も簡単にやられた。最悪だよ、私ただの悪趣味野郎って思われるよ。どうしよう、どうしたらいいの!?ジョンウンはリモコンをポチポチ押す。もう、駄目だ。
「………こういう趣味があったんだ」
『違うの違うの!
なんか男友達が私に、
これ勉強になるし感動するから
絶対見ろって言われて、それで…!』
「で、見たんだ」
『…うん、』
「ねぇ、そいつ、
あべのこと馬鹿にしてんじゃん?」
『かもね…』
「まるであべが
経験ないみたいな言い方、」
『あ、いや、
あんま言わなくていいよ…』
「俺とヤってるのに」
『あのさぁ、普通の顔して
凄いこと言わないでくんない?』
ジョンウンは口角だけきゅっと上げると、
「ヤるか」
『は?』
( 離せぇ! )
( 駄目だ、
一回思ったら止められない )
( 大丈夫!優しくする! )
( 離せぇ! )