星矢(Maine novel)

□First Ignition
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横着な態度だ。

だが、それが魅惑の女の仕草となると、飼い猫に頬ずりをされた様に愛おしい。



「勤務中の女の懐柔は好ましくないからな。」

「は?懐柔?」

「これで心置きなくお前を口説ける。

!!


言うが否や、俺は女のこめかみに唇を寄せた。



見れば見る程良い女だ。

!!!!!


俺の腕の中で、女の身体が硬直した。

これ幸いと、俺は女の黒髪に鼻を摺り寄せる。



「良い匂いだ。」

「ぎゃぁ!ちょっ、匂いを嗅がないでください!」

「噛みつきたいほどの甘い香りがする。」

「げっ!噛みつかないでくださいよ!」

「此処ではな。」

「はぁ?!」

「―――やはり、女は良い。

「………うわぁぁぁぁぁぁぁ、それ、女性全般って意味ですね?
どれだけの女性の香りを嗅いだんだか…。なかなか最低ですね。」

「ふ。先ほどユイにも最低と言われた。」

「侮辱されて“ふ”とか、格好つけないでください。」

「…今すぐ抱いてしまいたい。

ひぃぃぃゃぁぁぁぁぁぁ…っっっ!


更に女のウエストを締め上げると、女はブルブルブルと全身で身震いした。

うぎぎぎぎぎぎ…っ」と、俺の腕の中で仕切りに細腕を動かし、何とかして俺の呪縛から逃れようと抗い始める。



「あ、あの!」

「何だ。」

「腕を放して頂きたいんですけど!」

「断る。」

「息が吸えません!呼吸!胸が苦しいです!」

「胸が?
心配するな。俺の芳香に胸が高鳴っているにすぎない。」

呆れるほどの自信家ですね……違いますよ!」


女は顔を呆けさせ、はっきり否定を口にした。



「揶揄っただけだったのだが…そうはっきり言われると、俺のプライドが傷つく。

「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇ…。それは、すみません。」


またしても小さい“ぇ”の集まり。

鍛え上げたこの胸板で、且つこの屈強な上腕で、ここまで肢体を締め上げられて尚、これだけの抵抗を見せるとは。


新鮮だ。

逆にそそられる。



「まぁ、良いだろう。少し緩めてやる。」


少しだけ腕の力を弱めてやる。  



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