Short novel
□大好きだから…
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「ねーぇ、実佑ちゃんお願い!機嫌直して」
『嫌ったら嫌です!』
「いいじゃん…だからー」
『絶対に嫌です!』
「オレを信用してよ。……ね?」
『そらさんのことはもう信用しません!』
さっきからこの繰り返し
さすがに実佑ちゃん相手でもちょっとは苛立ちを覚える
「さっきから何揉めてんだよ…」
そこにキャリアがやれやれといった表情で間に入ってきた
『昴さん!!助けて下さい!』
「んだよ、そらにいじめられてるのか」
「いじめてないよ!」
『いじめてるじゃないですか!!』
「実佑ちゃんは少し黙って!!」
『ほら、いじめてるじゃないですか!!』
実佑は昴の腕をぎゅって掴んで今にも泣きそうな顔。
反対にそらは青筋立てて我慢の限界って感じ。
らちがあかねぇこの2人…。
「言い合っても仕方ねぇだろ。ひとまず休戦だ、休戦!」
そう言って昴は実佑をずるずると引きずっていった
『そらさんのバカー!いじめっ子ー!変態ー!』
最後の最後まで実佑ちゃんは憎まれ口を叩いて舌まで出している
やっぱり…ちょっとムカつく
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