Short novel

□伊達メガネは必須アイテム
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「どっちかっていうと、萌えアイテムだな」




え?




「おかげで全然仕事に集中できねぇ…」







昴さんは眺めていた書類の束をテーブルに置いてこちらへ歩いてきた







『そ、そう?』







会話の原因となっているのは、さっきから私がかけている伊達メガネ




全然集中出来てないようには見えなかったけど。







「だから…メガネは没収ー。」




『え…!』







いつの間にか私の顔に近づいてきた昴さんの綺麗な手がそっと髪に触れたかと思うと、レンズ越しに見えていた世界がいつも見ている世界へと変わっていく




でも、そこにいる昴はいつも見ている昴さんではなくて…







『ちょっと!なんで昴さんが私の眼鏡かけてるの!』




「実佑がかけてたら俺の仕事が進まねぇだろ」







にっこり微笑む昴さん




その顔にはさっきまで私がかけていた眼鏡




綺麗な顔がさらに栄えて見える




あぁ、やっぱり似合ってる







『私だって昴さんが眼鏡かけてたら勉強進まないよ!』







なんだろう、昴さんがかけてたら私にとっても萌えアイテムになるというか…




私がこの眼鏡に惹かれたのも、昴さんがかけたら似合いそうだと思ったからかもしれない。







「俺のことは気にすんな。学生は勉強勉強」







昴さんが私の頭をクシャクシャとしながらそんなこと言っているけど、




……ムリに決まってる。昴さんも絶対分かってる。




この人は、ホントにもう







『ねぇ、眼鏡返してよ!』




「無理だな」







楽しそうに笑う昴さん




それを見た瞬間、もう諦めるしかないと思った




でも同時にときめいてしまう自分もいるから、困ったもんだ







「俺が萌えた分、実佑にも萌えてもらわないとな」







私には昴さんが本当に萌えてたのかさえ疑問なのに







『赤点とったらどうしてくれるの』




「そうならないように、俺がいるんだろ?それに、そんな顔して…もしかして誘ってるのか?」







あ、あれ…?







『そ、それってどういう…』




「ククッ、教えてやろうか」







そんなことを言ってる間に私はベッドに押し倒されていて。







『や、やっぱりいいです!』




「残念だったな、もう遅い」







あぁ、テストどうしよう




昴さんには後でちゃんと責任とって勉強教えてもらわないと




昴さんからのたくさんのキスを浴びながら、そんなことを思った









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