Short novel

□寝たふりマイブーム
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窓から少しの光が入り始め、私は瞼をゆっくり開ける




何時だろ……?




時計が見たくて体を動かそうとするけどそれが叶わない事に気付く




彼の腕が絡み付いて動けないから




私がそぉっと体の向きを変えて向かい合わせになろうとすると、ん…と声がした




顔を覗き込んでみると規則正しい寝息をたてている







『昴……?』







よかった…寝てる




綺麗な寝顔。




なんか…こんなに顔が整ってるなんて卑怯だ




でも目覚めたら好きな人の寝顔があるのはこんなにも幸せ




昴は寝るとき必ず私の体に腕を絡める




少し離れるとすぐにぐっと自分の方に寄せてくれて




前にそれが嬉しいって言ったら昴は笑顔を見せてくれた




私はこうして昴と1つのベッドで寝るのが好き




昴を近くで感じれるから。




そんな事を考えながら昴を見ていると




好きって気持ちが溢れて止まらなくなる




私は昴の綺麗な寝顔を少しの間見つめると、桜色の唇に指を置いた







『キス…したいな……』




「いいぜ」




『お、起きてたの…!?』







びっくりして昴からとっさに離れる







「何で離れんだよ…」




『いっ…いつから起きてたのっ!?』




「あー…お前が起きてその後すぐ起きた」







ってことは昴って呼んだ時は寝たフリしてたんだ…。







「で…お前は俺の寝顔に見とれて欲情してたってわけか」




『ち、違う!欲情なんてしてない…!』




「へぇ、キスしてぇとか言ってたのはどこの誰だよ…なぁ?実佑。」




『す、昴が寝ぼけてたんじゃないの?』







そう言ってベッドから出ようとすると、また昴の腕が私に絡む







「逃げんなよ」







私の体はまたベッドへと戻され、いきなり視界が一転する




昴の顔を見上げる状態







「正直に言ったらちゃんとしてやる」







体を組み敷かれ挑発的に言われる




昴はずるい。だから言ってやらない







『何を?』




「意地張るなよ」







『張ってない…』







「そうか、わかった…」




























「なら、


































体に聞くまでだ」









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