Short novel

□テスト勉強と格闘!
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……何しても様になるっていうのは、ちょっとむかつくかも




それより、二人きりなのに何もされないっていうのもちょっと…




別にそういうことを期待してるわけじゃないけど!




私にだって欲ぐらいあるし




しかも一ヶ月近く会ってなかったし




何かこう、スキンシップが欲しくなったりして




……そんなことより勉強が優先、だよね




昴さんはまったく、こっちを見ない




何だか、…興味なくなっちゃったのかな




もういちゃいちゃする時期を通りすぎたのかな




……それは、寂しいかも







「さっきから、一個も進んでないみてぇだな」







突然、ノートに出来た影




教科書をさす、綺麗な指




その声に促されて顔を上げると、優しく笑う昴さんがいた







「何か考えごとか?」




『ちょっとね』




「俺のことだろ?」




『…自意識過剰』







昴さんが、あたしの言葉を受けてクスクス笑う




あたしは、昴さんの目を伏せる笑い方が好きでたまらない




気付いたら、無意識のうちに、手を伸ばしてた







『……っ』







昴さんの頬に触れる寸前で我に返り、とっさに出した手を引っ込める




何、やってるの、私




これじゃ、まるで







『ごめ…』




「俺に触りたいか?」







ふいにシャーペンを握っていた手に昴さんの手が重ねられた




私は目を丸くして、ただただ昴さんを見つめる







『な、んで?』




「顔に書いてある」









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