戦国男士
□貴方がいたから
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「上杉さん!」
何度叫んでもあなたは目を覚まさない。
どんなに私が泣いても、どんなに私が叫んでも、あなたには届かないんですか?
当たり前の様に、あなたのそばにいました。
あなたが横にいてくれるのが当たり前の様に感じてました。
もう、その当たり前は無いんですか?
あなたの思う事がしだいに分かっていきました。
その度にあなたは笑顔で言ってくださいました。
『兼続の言う通りだ』
しかしその声は聞けないんですか?
その顔は見られないいんですか?
伊達政宗を追いかけてる時、徳川家康を追う。そう言った時あなたは始めて私を否定しましたね。
『我々の目的は伊達政宗だ!』
あなたの目は私の心を突き刺さる様に感じました。
伊達政宗にやられた私をあなたは激怒してくださった時、本当は嬉しかったんです。
私の事をそんなにも思って下さってるという事が、嬉しかったんです。
血を流すあなたを抱きしめてる時、あなたは笑顔を振り絞って言ってくださいましたね。
『兼続の言う通りだ』
これが最後なんですか?
またいつもの様に言ってくださいますよね?
明日になればまた一緒に仕事ができますよね?
別れはこんなに急にくる物なんですか?
だとしたら、悲しすぎます。
上杉さん、私はあなたがー