めくらの夜にも星は降る
□♯02
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真夜中。終電間近の駅には、ベンチに腰掛ける私と熟睡中の彼しか見当たらない。
肩が、凝った。左はもたれ掛かられているので、私は反対の自由である右肩を回す。バキボキ。軽やかに鳴る関節に、思わず言葉を失った。ああ、こんなに疲労が溜まっていたのか。若いからって傲れるのも程々に、と言うことだろう。おそらく。
解れた肩をまた、二、三度と回す。あまり、疲れが取れていない気がするのだが………置いておこう。今だけは。
「はあ、………」
隣ですやすや眠る彼の友人らしい人と落ち合うことになった駅に降りて、早四〇分。いい加減、この夜景にも飽きてきた頃合いだ。藍色の夜空。チカチカと光る人工的な明かり。極々普通の夜の町並み。別に、取り分け「詰まらない」と言い捨てることをするほどのものでもない。良くも悪くもなく、普通なのだ。