Flavor

□僕のVitamin
1ページ/41ページ



「クライン、お前今日から秘書課に転属だそうだ」


「はっ…――?」


上司から朝来た早々に、いきなり辞令が下された。
こうしてわたくし、ラクス・クラインの運命の日が始まった。




ここ、アークエンジェルコーポレーションは日本有数の大企業で、色んな分野を手掛けている。
中でも、アスラン・ザラ率いるファッション部門、フレイ・アルスターなど人気モデルプロダクションが中心で、モデルとファッションとのコラボにより話題を博した会社である。


僅か三年でその地位まで昇らせた社長は、社員の前に一度も顔を見せず、秘書しか知らないという…――。

(何故、わたくしが…――?)


そう、心の中で呟いたのが声に漏れて上司の耳に届いていた。


「あ〜…――それなんだがな、何でも社長秘書が寿退社するみたいで秘書検定持ってる各部署の女性社員が選ばれたんだよ。直に社長がその中から選ぶらしい」


(確かにわたくしは1級持ってますけど…―――活用した試しがありませんわ)

「とにかく、社長直々の辞令らしいから、早く秘書課に行ってこい。
荷物は秘書に決まったら取りに来て構わんから」



仕方なく、わたくしは秘書課に向かうことにした。



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ