Flavor
□僕のVitamin
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コンコンッ…――――
「どうぞ」
秘書課の扉をノックすると、若い、落ち着いた感じの女性の声が聞こえた。
「失礼致します。経理課、ラクス・クラインです」
ガチャッ…―――
扉を開けると、目の前には机が一つあり、その机の椅子にわたくしより年上で知的で優しそうな女性が座っていた。
「はじめまして。社長代理秘書のマリュー・ラミアスよ。
そんなに緊張しないで?取って喰う訳じゃないんだから」
上品にくすくす笑い、白のスーツを品よく着こなしている。
素敵だなぁって思っていたら隣の部屋から同じ年頃の青年が出て来た。
「マリューさん、明日のスケジュール何だけど…――
あれ…――?こんな時間に人が居たのッ!?」
「あぁ、キラ君。ごめんなさいね貴方に秘密にしていたのだけど…
たった今、貴方の秘書が決まったわ」
「Σはぁっ!?」
「えっ…―?」
「ふふふっ。だっていつまでも秘書のいない社長なんて可笑しいでしょう?」
「そんなっ!今までだって…――ッ」
「あっ…あの…―――ッ。
わたくしには、話が見えないのですが…――」
ラクスを置いて話が進んで行く事に、少し戸惑いがちに二人に話し掛けた。
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