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□第9話
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秀元さんが声を掛けてくれなければ、そのまま歩き続けていたと思う。
「ええんよ。とりあえず、中入り」
『お邪魔します』
私が秀元さんとした約束…
それは二日前のこと。
私は珱姫の所へ行き、話が弾んだため、いつもよりも帰る時間が遅くなってしまった。
そのため、いつも通る帰路ではなく、森の方を抜ける近道を行くことにした。
『暗いなぁ…;』
思っていたよりも暗くて、森の中は不気味。
妖でも出てきそう;
「おい、人間の女が居るぞ!」
人間の女…と言うことは;
声が聞こえた方を見ると、そこに居たのは…やはり妖。それも二匹居る。
私って,とことん運が悪いんだわ;
「人間の女だ!生き肝よこせ〜!!」
“生き肝信仰”の妖か…
人間の姿のままでは、勝ち目がないので、妖の姿に変化しようと思った矢先…
「滅」
「「うぎゃ〜」」