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□第11話
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秀元さんに案内された部屋は綺麗に片付いていて、掃除もされているようだ。
『あの……私一応半妖なんですけど、陰陽師の屋敷に入っても良いんですか?;』
「かまへんよ。今の君は人やし、悪さをする訳でもない…それに、他にもここを訪ねてくる妖は居るよ」
『私以外にもですか?』
「そ、ただ飯食べにくる妖とかなぁ」
『ただ飯ですか;』
天才陰陽師と名高い秀元さんの家に来て、ただ飯なんて……
度胸のある妖なのね;
「それで、今日真紀ちゃんを呼んだのは、頼みたいことがあったからなんやけど……」
『はい。私に出来ることなら、何でも言ってください』
「じゃあ、お言葉に甘えて……料理とか出来る?」
『料理…ですか?』
前世では、忙しい母の代わりに料理や掃除をすることもあったし、転生してからも大坂城に居た頃は、止めようとする使用人達を無視して、料理や洗濯をしていたので、自分で言うのもなんだが、家事は得意だと思う。
「そう。料理をしてくれてた使用人が、妖を見たゆうて、怖がって辞めてもうてん」