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□第10話
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今日は、ある女の子が訪ねてくる。

その子には、昼頃に来るように言ってあるから、そろそろ来るはず。

そう思い、門から外を見てみた。

すると、道の向こうの方から歩いてくる人影を一つ、視界にとらえた。

案の定、それは待っていた人だった……


が、その子は屋敷の前を通り過ぎていく。


また、何か考えとるんやね;


「真紀ちゃん、真紀ちゃん」


呼び掛けると、ピタリと歩みを止め、辺りを見回している。


「真紀ちゃん、こっちやで!こっち!」


こちらを振り返った目と目が合う。


『秀元さん…何してるんですか?』

「何してるって、君のことを待ってたんやで」

『私を?』

「そうそう。約束したやろ?覚えとらんの?」

『覚えてますよ、もちろん。だから、ここまで来たんですから』

「それもそうやね。でも、吃驚したわ。僕の屋敷通り過ぎて行くんやもんなぁ」

『すみません;ちょっと考え事をしてたので…;』


僕が声を掛けてくれなければ、そのまま歩き続けていたと思う。
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