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□第7話
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今日は満月、か……
妖、ぬらりひょんが率いる百鬼夜行は、日が暮れると同時に京入りを果たしていた。
「カラス、今日は宴じゃ。良い店はあるか?」
「では、“妖月光”はいかがですか?」
「妖月光?」
わしは、聞いたことの無い店の名に首をかしげた。
「はい。最近、妖の間で酒が旨いと評判なのです」
「ほう…なら、そこにするかのう」
酒が旨いと聞いては、一度行ってみたいと思うもの。止めていた歩みを進め、店へ向かう。
「ここです、総大将!」
「あら、思っていたよりも綺麗な店ね」
雪女はこの店を気に入ったようだ。
早速,扉を開ける。
ガラガラ…
「いらっしゃいませ!!」
まだ日が暮れたばかりなのに、半分程の席は,すでに埋まっている。
「団体なんじゃが,席はあるか?」
「もちろんです!こちらへどうぞ」
店員に案内されたのは、奥にある広い座敷。
ここなら全員入りそうじゃの…。
わしが中央に座ると、わしの周りには幹部の連中が座り、他の妖は皆適当に座っていく。