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□第6話
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何で……何で“彼”がここに居るの?;
羽衣狐を倒し、いずれ魑魅魍魎の主になる男─
“ぬらりひょん”
実際に会ってみたいとは思っていたけど…
まだ心の準備ができてない!!;
珱姫の夫になった後で、義姉として奴良組に会いに行ければ満足だった…けど私は今、妖の姿をしている;
バレるわけにはいかない!!
私は頭の中でパニックを起こしていた。
落ち着くように心掛けるが、どうしても向かいの席が気になる。
そんな時、周りの席から視線を感じた。
え?…何?私、何か変な所ある?
思わず自分の姿を見る……
が、特に何もない。
う〜ん…気のせいかな?;
「お待たせしました!…どうかしましたか?」
先程の猫の店員さんが来て、私の方を心配そうに見てくる。
回りから見れば、自分のことをキョロキョロしながら見ている私はかなり怪しく見えただろう。
そう思うと、急に恥ずかしくなってきた。
『っ…大丈夫です!…ありがとうございます』
照れ隠しに、運ばれてきたお酒を口にする。
苦い物は苦手なので、口当たりの良い甘いお酒。