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□第3話
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大坂城に住む、豊臣と淀殿の娘―――椿姫。

今年十歳になるその娘はたった十歳にして、誰をも惹き付ける絶世の美女だと町で噂されていた。



大坂城内…


そのような噂が流れていることなど、全く知らない椿姫は、この“ぬらりひょんの孫”の世界に転生してから早十年、城の中で母、羽衣狐の下僕の妖達に面倒を見てもらい成長した。


『ねぇ、鬼童丸!一緒に遊びましょ!!』

「遊ぶのも良いですが、しょうけらが椿姫様のことを探しておられましたよ」

『しょうけらが?』

「えぇ、広間の方にいましたよ」

『なら行ってみるね!ありがとう、鬼童丸!!』


そう言い残すと、私は着物を着ているにも関わらず、走って広間の方へと向かった。

後ろから鬼童丸の注意する声が聞こえてくるけど、聞こえないふり。



十年前は漫画の設定のイメージで、羽衣狐に仕える妖は皆怖いと思っていたけど、話してみると、どの人……どの妖も意外と良い妖だと気付いた。

今では暇な時には遊んでもらう程に親しくなった。
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