Main
□第2話
1ページ/3ページ
私が目覚めてから一月が過ぎた。
そして、その一月の間に、私は元の世界で死に、“ぬらりひょんの孫”の世界に転生トリップしたということに気付いた。
一月前のあの日、私を抱き上げていたのは淀殿……つまり羽衣狐だったのだ。
一月前……
「あぁ…愛しい妾の子」
…妾の子…?この人は誰?
けど…どこかで見たことがあるような気がする。
私は女の人の顔をもう一度よく見て、思い出そうとする。
「お前は半妖だけど、どうやら妖力は強いみたいだね…人間共は皆気を失ってしまった」
自分の体なのに思うように動いてくれない首を無理に動かし、周りを見ると、着物を着た女の人達が三人程倒れていた。
『あぁ〜、あう』
手を伸ばして、彼女達の安否を確かめたいが、私は抱き上げられたままなので、近づくことができない。
そろどころか、まともに話すことさえできない。
なんで…?
…っ、なに…これ?;