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□第1話
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朝7時に起床。
制服に着替え、朝食を食べ、身支度を整えてから、今日もいつも通り家を出る。
『行ってきます』
「行ってらっしゃい。気をつけて行くのよ」
『は〜い!』
「転ぶなよ」
『そんなに子どもじゃない!!』
母と少し意地悪な兄に見送ってもらい、学校へ歩いて向かう。
学校の門の前へ差し掛かると、後ろから声を掛けられた。
「真紀、おはよ!」
『おはよう、悠!』
彼女は富田悠。
私の一番の親友で、バスケ部の女主将。
ショートカットで174cmという長身のため、周りの女子からの人気が高いが、実は漫画と可愛い物が大好きな女の子。
悠と一緒に教室へ向かい、席に座る。
ちなみに、私と悠の席は前後なので、授業中も話すことのできる最高の席。
鞄の中から教科書を出していると、悠が振り返って話し掛けてきた。
「今日の5限目の数学で当てられるんだけど…できてなくてさぁ…;」
『ふふっ、仕方ないから昼休みに教えてあげる』
「ありがと!いつもごめん;」
『どういたしまして』
「一応問題集は見たんだけど、半分しか解けなかった」
『悠は物覚え良いから、すぐ解けるようになるよ』
「へへっ!」
少し頬を染めて笑顔で照れる悠は、素直で女の子らしい。
私も悠みたいに素直になりたいなぁ…