☆短編集〜銀切華〜

□天敵
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『ぎやああああああああああ』



ある日のお昼。

アパートに響き渡る声。



『ど、どうした高杉!!??』



その声の主は高杉。

どうやら台所かららしい



『ぎ、銀時ぃ……』


するとそこには涙目になりながら部屋の端っこにへなへなと座り込んでいる高杉がいた。



『どうしたんだ?』


高杉の横にしゃがんで頭を撫でながら聞く。


辺りを見回すも高杉が驚く原因となりそうなものはない。




『あ、あれ……』


そう言って高杉が指差した先には何もない。


と思ったが棚と棚の隙間をよく見るとそこにいたのは………



『ゴキブリ……?』


黒光りするG様だった。

俺がその言葉を発すると高杉はギューと俺にしがみついてきた。


『何、お前……ゴキブリ嫌いなの?』



そう聞くと首が取れるのではないかというぐらいの勢いで首を縦に振った。



『まじでか………』


意外……でもないか

こいつ虫とか苦手そうだもんな。



『銀時……あいつ倒して』


涙目で可愛く俺を頼るとか……

反則だよ?晋ちゃん//



ポンポンと高杉の頭を叩いて立ち上がり、防虫スプレーと新聞紙、ティッシュなどを用意する。


そろりそろりとG様に近づきスプレーをかけ、素早く新聞紙とティッシュで包む。



処理完了。


高杉を見るとホッとしたように胸を撫で下ろしていた。



『大丈夫晋ちゃん?』


そう言って近づくと


『ちょっ!?ち、近づくなぁ!!』



拒絶された………



『そ、それ!捨ててこい!』


あぁ……

手に持ってるG様の方か


俺に向けて言われた訳じゃねーのはわかってるけど……


なんか傷ついた……




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