☆短編集〜銀切華〜
□クリームか君か
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『高杉ー』
銀時がこっちに来いと手招きしながら俺を呼んだ。
俺がそこに行くと目の前にさし出された少し大きな箱。
綺麗にラッピングされている。
『……何だ?』
『お前…今日、何日か知らねーの?』
『3月14日だろ?』
今日……何かあったか?
俺の誕生日は8月だしクリスマスでもない。
『……ホワイトデーだよ…』
ホワイトデー……
あぁそういえばそうだったような気がする。
『それって男が女にバレンタインの礼する日のことだよな?俺ァ女じゃねーしバレンタインに何もやってねェぞ?』
『えっ晋ちゃん何言ってるの!?晋ちゃんは受けなんだから実際、女みt
『てめェ殺すぞ………』
馬鹿なことを言う銀時を睨みつける。
『ま、まぁ…とにかく…銀さんが高杉のために作ったんだから貰って!』
はいっと渡してきた箱を受け取り、開けると中にはチョコレートケーキが入っていた。
『高杉、甘いものあんま好きじゃなかっただろ?だからビターにしてみたんだけど……』
『これ…お前が作ったのか…?』
『おぅっ!』
銀時が……俺のために………
『糖分王に俺はなるっ!』
『おぃ…フォークはどこにあるんだ?』
『スルーッ!?(涙)』
俺は少し落ち込んでいる銀時から受けとったフォークでケーキを食べ始めた。
ケーキはビターといえどケーキには変わりねぇからやっぱり甘ったるい。
でも…銀時が俺のために作ってくれたってんなら…
『美味しい…?』
『…………。』
『ねぇ……美味しい?』
『…………。』
ケーキは確かにうめェが……
正直に言うのはなんか恥ずかしい。
『…………あ、高杉!』
しばらく銀時が黙っていたと思ったら俺を呼んだ。
『んァ……?』
『クリームついてる』
ここっと口元を指差す。
銀時に言われた場所に手を伸ばし、人差し指でそのクリームをすくいとる。
そのまま舐めようとしたが…