☆短編集〜銀切華〜
□アイシテル
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あんなに好きだったのに
いや、あんなに愛してたのに
あんなに大切にしてたのに
今、お前は俺の手の中にいない。
何度後悔しただろうか
何度自分が嫌いになっただろうか
何度「嘘」だと言って欲しかっただろうか
もう全て遅いのに。
何故、あの時気づいてやらなかった?
何故、とめなかった?
何故、抱きしめてやらなかった?
そんな叫びも無駄。
今、俺の愛しい人が俺の目の前にいて
俺を愛そうとしている。
その事実は変わらない。
お前が俺を愛するというなら
俺もお前を愛そう。
俺の精一杯の刀(こころ)で………
刀でしか愛せないことが
哀しくて仕方がないのに 涙がでない。
そんな自分が嫌で また哀しくなる。
お前を幸せにすると言ったのに約束を守れなかった。
この罪は生まれ変わったら償うから……
だから今は許して………
高杉。