死姫

□第五話
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〜真選組屯所〜






「なんであんな事言ったんだ?」




帰って早々土方はそう切り出した。




「あんな事って?」




それに飄々と言って聞き返す廉斉。沖田は沖田でなにやら考え込んでいた。







(やっぱりあの姫さんはタダモンじゃあねぇ。あの観察力と洞察力はなかなかのもんだ。それに神威と対等に渡り合えるほどの腕・・・・)





沖田が一人考えている間、土方は廉斉にこれまでの疑問をぶつけていた。





「町で万事屋に言ったことだ。別にパフェ食べてからでもよかったんだしな」





「ああ、そのことね。ん〜なんとなく君達なら言ってもいいかな〜と思って」




「なんだそりゃ。・・・・まぁいい。じゃあいくつか聞きてぇ事がある。」





「どうぞ。答えられる範囲で答えるよ。」





それから、土方はたくさんの質問を廉斉にした。





まず、どうしてあれほどの実力を兼ね備えていながら自分達に護衛を頼んで来たのか。



これは土方の思っていた通り、廉斉が逃げ出さないようにするために部下である白鈴が勝手に決めたことで廉斉自身も地球に着く直前に言われたそうだ。





二つ目、廉斉の正体。




これに関しては、さすがにあまり聞き出せなかった。唯一分かったことは、絶滅したと思っていた種族の生き残りで、正確には絶滅してはいないが、社会的に抹消されたらしい。


廉斉は自分の経緯については話さなかったが、神威との関係は話した。






「あいつ・・・まぁ正確にはあいつの妹だけど、私の恩人なの。

神威とはまぁ、腐れ縁みたいなものだね。なんかいっつもケンカ振りかけられるけど」







ということらしい。土方と沖田は神楽と知り合いであるということに驚いていた。






「まさかチャイナ娘と知り合いだったとはな・・・」






土方がそう言うと廉斉は驚いた顔をし、土方を見つめた。




「土方君、神楽のこと知ってるの?」






「いや、知ってるも何も江戸にいるぜ。ちょうどさっき話した銀髪の奴と同じ、万事屋で働いてる」






土方の言葉を聞いた廉斉は目を見開き心底驚いていた。





「あの子、江戸にいるの!?」





「あ、ああ。歌舞伎町の万事屋銀ちゃんってとこに住んでる」





「今すぐ合わせて!お願い!」





今まで飄々としていた廉斉が取り乱したので、土方と沖田は驚いた。







「分かりやしたから、姫さんちょっと落ち着きなせぇ」






沖田に諌められ、漸く取り乱していることに気付いたのか廉斉はおとなしくなった。








「ごめんなさい。取り乱してしまって」







「構いやせんぜ。まあ、驚きやしたけどねィ」







「・・ありがと。でも、お願い。
あの子に、神楽に会いたいの」





真摯に頼む廉斉に、二人は快く引き受けた。




「そのくr「了解でさァ」っててめえ!オレの台詞取るんじゃねぇ!」





「うるせえ、死ね土方」





「よぉし、分かった表出やが、ゴフッ!」





ドカァ!!





飽きもせず、ケンカをしようとする沖田と土方だったがいきなり土方がふっ飛んだので、その場は騒然となった。







「へ?土方さん?アンタ何やっガハッ!」




土方に続き、沖田もふっ飛んだ。




そして、二人を蹴飛ばしたであろう人物は・・・






「いつまで人を待たせる気?とっとと案内しろや」





という感じでキレていた。
ちなみに二人を蹴飛ばしたのは言わずもがな、廉斉だったりする。




「いきなり何するんでさァ!」



「ひ、姫さん?アンタ何を」




蹴られた腹を擦りながら聞こうとすると廉斉は、





「ああん?早くしろってんのが分かんねえのか」





鬼の形相で二人を見ていた。





「「は、はいィィィ!!(さっきとキャラも口調も違え!!)」」





こうして廉斉達三人は万事屋へと向かった。





ー万事屋ー




「ここがチャイナ娘が住んでる万事屋銀ちゃんだ」





「ここに・・・あの子が・・」



些か緊張した面持ちの廉斉に沖田と土方は二人の間に何があったのか気になったが、とりあえず廉斉に神楽と会わせるために、インターホンを鳴らした。





ピンポーン♪



『・・・・』


「・・もう一回鳴らしてみるか」




そう言って再び土方がインターホンを鳴らした。が、それでも出てこない。



「土方さん、オレに任せて下せぇ」





そして沖田はすごい勢いでインターホンを押し続けた。





ピンポーン♪
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン・・・・




「だあァァァ!!うるせえェェェェ!誰だよ!」




沖田のピンポンラッシュが堪えたのか、漸く家の主、銀時が表れた。





「旦那、お邪魔しやす」




「あり、沖田くんじゃん。どうした珍し・・・ゲッ」




「おいこら、露骨な反応してんじゃねえよ!」




「うええ〜なんで大串君までいるの、とアンタはさっきの・・」




「だから誰が大串だっ!」




「こんにちは。またお会いしましたね」





「やっぱり?いや〜オレと同じ髪の色だったから覚えてたんだ」




「(姫さん、口調違くね?)旦那、チャイナ居やすか?」




沖田が手っ取り早く用件を言うと、すぐに銀時の後ろから神楽が出てきた。






「銀ちゃーん、なんかさっきから税金ドロボーの声がす・・る・・・ぇ?」
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