死姫

□第六話
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ー屯所ー




「ええ〜それでは、廉斉姫の歓迎して」






『乾杯!!』





ここ真選組の屯所にて、廉斉の歓迎会が賑やかに行われていた。




「みんな!今日は歓迎会なんだから、ハメを外しすぎるなよ!」





そうゴリ…近藤が周りに呼び掛けた。すると、周りにいた隊士達は声を揃えて言った。







『すでに、真っ裸のアンタに言われたくねえェェェ!!』




………隊士達の言う通り、すでにゴリ…近藤は女の子である廉斉がいるのにも関わらず全裸だった。




「おいこら、作者ァァァ!!私の事わすれてんじゃねえぞゴラァァァ!」




あ、そうだった。もう一人いた。
万事屋の紅一点、神楽もいた。




そして、隊士達から突っ込まれたゴリ…近藤は





「いやァ〜すまんすまん。けどよぉ、つい気分g、グホォォォ!?」





廉斉に蹴り飛ばされました♪







「ちょっと、神楽にそんな汚らわしいもの見せないでくれる?」





廉斉姫、かなりのご立腹w





「ず、ずみまぜん・・・」




哀れ、ゴリ…近藤さん
でもアンタが悪い。




「作者ァァ!てめえ、いい加減にしろよォォ!知ってたんだからな!?何回もゴリラって言いかけたの知ってるんだからなァァァ!」




うるさい、黙って廉斉に蹴られとけよ。

by作者♪




宴早々にやらかしてくれた真選組だったが、これで終わりではなく、むしろゴリラの不祥事に続くように次々にやらかしてくれた。






「全く…いきなり全裸とかやめて欲しいんだけど」




近藤を蹴り飛ばしてスッキリしたのか、ふぅ〜と溜め息をこぼしながら自身の盃を取り、一気に飲み干した。





「お嬢、結構イケる口なんですかぃ?」



「まあね〜」




「顔に似合わずね」



沖田が廉斉の飲みっぷりを見ながら聞くと近くに座っていた神威が口をはさんだ。



「童顔のアンタに言われたくないし」




「お前喧嘩売ってる?」



「さあ、どうでしょうねー」




「(イラッ)ふーん?」




神威と廉斉の間で火花がバチバチと散った。




「おいおい、隊長も廉嬢も今日くらいは大人しくしてくれよ〜?」



二人の間に流れる不穏なものを感じたのか、阿武兎がやんわりと止めようとする。



「「じゃあ、一発殴らせて」」



「なんでそうなるんだよアンタら二人はァァァァ!」




「「ムカついたから?」」





「疑問形にしても変わらねえけどな、このすっとこどっこい」



疲れた風に言う阿武兎にけらけらと笑う廉斉と神威。
そんな三人のやり取りを見ながら沖田は




「やっぱりお嬢、いい性格してやすねィ」




「それほどでも♪」




「違うよ、総悟。コイツの性格はいい性格どころかねじ曲がって、ねじ曲がってどうしようもない奴だよ」





「ハア?アンタよりはましだと思うけど?」




「・・・・・・・」




またもや、二人の間に火花が散った。




そんな時、座敷の襖が遠慮がちに開かれた。




「すみません、遅れました!」




「大丈夫よ、新ちゃん。コイツらなんかいくらでも待たせておけば」






「新八くん!姐さん!」




座敷に入ってきたのは新八とその姉志村妙だった。



二人に一番近かった山崎が応対する。




新八と妙の来訪を聞き、近藤が周囲の声を物ともせず妙のもとへ近づいていった。



「お妙さーん!今日も美s 」




「オルァァァァァァ!」



ドカッ



「ぶべらッ」






「・・・・・・わー」





目の前で起きた事に若干引きながら沖田に尋ねた。




「えーと沖田君?あれほっといて良いの?」





「大丈夫でさァ。いつもの事ですしねィ」




「へーー。いつもなんだ・・」




「オレも始めは驚いたな〜。今はもう慣れたけど」





廉斉たちがそんな会話をしている間も近藤は妙に殴られ続けていた。




一方の新八は近藤を殴っている姉を放置し、山崎に自身の席へ案内されて銀時たちと合流した。




「新八、遅いアル!もう銀ちゃん、酔ってるアル」




「ごめんね、神楽ちゃん。銀さん!飲み過ぎですよ!」




「ああ〜?銀さん別に酔ってないし〜?まだまだ序の口ですぅ〜」





「いや、どう見ても酔ってるだろ」




なんでこの人は酒には決して強くない癖に飲みたがるかなぁと新八は思った。


すでにべろんべろんになっている銀時に沖田達が近付いて来た。



「どうも、旦那。すでに出来上がってるようで」



「旦那、アンタ以外に酒弱かったんだね〜」





「ああ〜?沖田君と神威じゃねえか」




「あら、私もいるんだけど?」



二人の後ろからひょこっと廉斉が顔を出した。




「廉ちゃん!」



「やっほー神楽、と銀さんも。昼間ぶりだね」



「・・・あの?」



一人置いてきぼりな新八が首を傾げると、そういやお前昼間いなかったなと銀時が溢した。



「廉、こいつは万事屋銀ちゃんのパシりの眼鏡だ」




「よろしくねパシり」




「パシりじゃねえェェェェェ!つうか普通に紹介しろやァァァ!あと貴女もそれで納得しないで下さい!」




さすがは万事屋のツッコミ新八。見事に銀時と廉の二人に突っ込んだ。





「ああ?めんどくせえなぁ。廉、こいつは万事屋の従業員の志村新八。ちなみにいまだにあそこでゴリラをタコ殴りにしてんのが新八の姉の志村妙」





「ど、どうも」





「よろしくね、眼鏡くん。私は久旺廉斉。しばらく真選組でお世話になるんだ」





改めて紹介する銀時に応じるように廉斉も名乗った。




「それまだ引きずってんのォォ!?僕は新八です!」





「だって長いんだもん。良いじゃんもう眼鏡で、なんだよ八って中途半端な」




「うるせえよ!てか初対面で言うか、それ!!」




「ほら見ろ、やっぱり新八の八はダメなんだよ」




「そうアル、なんか八って中途半端アル。だからお前は駄眼鏡なんだヨ」




廉斉に便乗して銀時と神楽にまでからかわれ、新八はついにキレた。





「糖尿寸前の奴に言われたくないわァァァァ!!」





「ああ!?糖分の何がいけねえんだよ、テメー糖分嘗めるなよ!?」




「あ、ごめん銀ちゃん。昨日銀ちゃんのいちご牛乳飲んじゃったアル」






「犯人はてめぇかァァ!銀さんのいちご牛乳とりやがったのはァァァァァ!」





「そのくらい別に良いじゃないですか!」





「うるせェェ!!あれ残り少なかったんだぞ!?今月依頼がねえからもういちご牛乳今月買えねえんだぞ!?」





「「てめえが広告も宣伝もしてねーからだろ!!」」




最早三人共目の前に廉達がいる事を忘れて、大喧嘩を始めた。





「・・あれ、何か完全に私たち存在忘れられてない?」




「これも良くあることでさァ」





「プッざまあw」





「神威、歯食いしばれ」




万事屋メンバーが喧嘩している隣では廉と神威が今にも喧嘩が始まりそうな
空気を醸し出していた。



と、そこに一人の乱入者が現れた。






「おい、てめら!ちったあ大人しく出来ねえのか!」





「土方くん」





そう、その乱入者とは土方だった。





「そもそもなんでてめぇらがいやがる。呼んだ覚えはねぇぞ」





睨み付けながら言う土方に銀時は鼻で笑うように言った。





「ああ?俺達はてめぇらとこのゴリラに呼ばれて来たんだよ」





銀時の言葉を聞き、自分の上司を見る。が、







「ゴリラならそこで姉御にボコられてるアルヨ」






「近藤さん!?」





そこには神楽の言うとおり、未だに妙に殴られている上司がいた。



そして、近藤が使い物にならなくなるのを悟ると銀時は土方に思いっきり馬鹿にした態度で言った。




「そー言うわけで、俺達はれっきとした”お客様”なんだよ。オラ分かったらとっとと酒でも注いでもてなしやがれ」





そんな銀時に土方もプツンとキレ、いつものような罵り合いを始めた。




「てめぇみたいなクソ野郎、もてなす訳ねぇだろ」




「ああん?俺がさっき言ったこと聞いてたのか?」





「銀ちゃん、あれアルヨ。マヨネーズ摂りすぎて耳にまでマヨネーズが溜まってるに違い無いネ」





「あーなるほど、そっか」






「なるほどじゃねぇよ!マヨが耳に溜まるわけないだろうが!」




「ちょ、銀さん。神楽ちゃんも落ち着いてくださいよ」






「副長も!旦那方の言うとおり今日の旦那方はお客ですよ」








今にも掴みあいの喧嘩に発展しそうな二人に新八と山崎が止めに入ろうとした時、







「じゃあ飲み比べしようよ」







『・・・は?』






「勝った方が負けた方に好きな事が命令できるっていうのどう?中々面白そうだと思うんだけど」







・・・・・という廉の鶴の一声により、急きょ飲み比べが始まった。


この飲み比べ、最初は銀時と土方の二人だけだったのだが、いつもやら沖田、神威、廉、妙、近藤まで参加することになり、

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