死姫
□第五話
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四人の目の前で起こったこと、それは
「離してください!」
「えぇ〜いいじゃん。行こうよ」
「いや!」
なんとこの真昼間から団子屋の女性が二人組の男の絡まれていた。
それを見た土方と沖田は廉斉にここから動かないように言い、その女性のもとへいき、男に注意しようとした。
だが、土方達よりも早く動いた人物がいた。
「おいおい、こんな真昼間から何してやがんだよコノヤロー」
そう男は言い、二人組を一瞬で気絶させた。
その男は土方達に気付くと声をかけてきた。
「おぉ、大串君と総一郎君じゃん。ちょっとォ〜もっとはやく来いよ。税金払ってんだからサボらず働けや」
土方達に声をかけてきた人物それはこの歌舞伎町最強の男、坂田銀時である。
「誰が大串だ!俺は土方だっつてんだろ!」
「旦那、総悟でさァ」
そしていつものように二人をからかった。
「で、そこのお嬢さんは?まさか彼女?」
「んなわけねぇだろ!」
「そうね。私も目つきの悪い人は嫌だし」
廉斉が口をはさむと二人は驚いた顔をし、沖田はにやりと笑っていた。
「へぇアンタいい性格してんな」
「それはどうもありがとう♪」
沖田に続き銀時もにやりと笑ったのに対し廉斉はニコリと笑って返した。
そんな仲、土方だけは自分の考えに耽っていた。
その様子を廉斉が見ていたのにも気付かずに。
(・・・・いつのまにあの姫さん来てたんだ?気配が全くなかった。それに、今までのと纏う雰囲気が変わっている気がするしな・・・あと・・)
ずっと黙っている土方をよそに三人は話を弾ませていた。
「俺は坂田銀時。銀さんでいいぜ。この歌舞伎町で万事屋やってんだ。アンタは?」
「私は久旺廉斉。今は真選組で厄介になってます。ちなみに好きな物は和菓子」
「おっ、俺も甘い物すきだぞ。とくにイチゴ牛乳とパフェが」
「ふ〜ん、そう。私はお団子ね。・・・・パフェは食べたことないんだけど」
「何!?お前食ったことねぇの?」
「ええ。」
「じゃあ、これから食いに行くか?」
「いいの?」
廉斉は銀時と沖田を見た。二人ともいいぜ、いきやしょうと了承してくれた。
「旦那、俺もいいですかィ?」
「おお、いいよ。そのかわり沖田君持ちにするけど」
「別に構わねぇですぜ。土方の財布なんで」
と黒い財布を取り出した。
それを見た土方は、
「てめぇぇ!また俺の財布スリやがったなァ!
!」
と怒鳴るが沖田は思いっきりスルーした。
「ところでよ、姫さんアンタ口調が変わってんのは気のせいか?」
そう土方が少し低めの声で聞くと、
「アハハ、よくわかったね〜」
と飄々と言ってのけた。
沖田もああ、そう言えばとつぶやいた。
そして廉斉は、土方と沖田を見やり、次に銀時を見た。
「悪いんですけど、銀さん。ちょっと野暮用があるみたいなんでパフェはまた今度でいいですか?」
これまたニコリと作り物のような笑顔で廉斉は言った。
「あ、ああ。」
廉斉はまた土方達の方を向き、
「じゃ、一旦屯所に帰りましょうか。二人とも、私に聞きたいことがあるんでしょう?」
二人は息をのみ、まじまじと廉斉を見た。