死姫
□第四話
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〜歌舞伎町〜
「わあ〜。にぎやかね」
「そりゃそうでさァ。なんてたってここは、江戸で一番にぎやかなところですからねィ」
わあと頬を上気させながら言う廉斉に沖田は説明していった。
たった数時間話しただけなのに、沖田と廉斉は随分と仲良くなっていた。
最初は嫌々そうにしていた沖田だったが話すうちに打ち解けたのだ。
そしてその後ろで楽しそうな二人を微笑ましく、土方と白鈴は見ていた。
(総悟のヤロゥ随分楽しそうだな。あいつがあんな笑ってんのはチャイナ娘といる時ぐらいなのによ。)
と考えていた土方の隣で白鈴が口を開いた。
「ありがとうございます。姫様のあんな顔は久しぶりです」
と白鈴が言うと、土方はなぜと聞き返した。
「姫様があんなに年相応の顔をするのは珍しいんですよ。・・・・・城に居たころは目が死んだ人形のようでしたからね」
と白鈴が言うと、土方はなるほどと言いながら、
「それは総悟に言ってやってください。その方があいつもうれしいでしょう」
と言った。そして和やかに観光をしていた四人だが、それは唐突に終わった。
しかもそれは四人の目の前で起こった。