死姫

□第ニ話
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〜真選組屯所〜

近藤達一向は江戸城から屯所に戻ってきた。近藤は戻ってくるなり会議をするぞと言い、土方に皆を集めるように言った。

「えぇ〜というわけで、廉斉姫をこの屯所で預かることになった。皆姫様をたのむぞ!」
と近藤が言うと、隊士たちは、おおぉ!と色めきたった。そして、近藤のそれだけだでは解散!と号令がかかると同時に隊士たちは、一斉に廉斉のもとへ行った。すると、こうなると予測していたのか土方が廉斉の前に立った。
「オイゴラァァテメーらなにしてんだよ。姫さんは今日おれと総悟が相手する。
それに急にこんな来られても困るだろう」
と土方が喝を入れると隊士たちは渋々従った。
「ったく・・・あぁ、俺は土方十四郎。本日の担当だ。もう一人は・・」
チャキ
金属音が聞こえてきたので、土方と廉斉は、ん?と首を傾げた次の瞬間
ドゴーン!
「土方さーん、生きてやすかぃ?」
廉斉が顔を上げると、そこに亜麻色の髪の青年がいた。だれだっけと廉斉が考えていると、土方の怒声が聞こえてきた。
「ゴラァァァァァ!総悟!てめなにしやがるんだ!」
土方に向けてバズーカを撃った青年は、土方が怒っているのをしれっとした目で見、
「なんですかぃ、ギャーギャーうるせえんだよ土方この野郎」
といきなり暴言を吐いた。廉斉は少し驚き、きょとんとしていた。周りはいつものことなのか平然としていた。自分たちの方を廉斉が見ているのに気付いた土方が
「ハッ、すいません見苦しいところを」
「いえそうでもないですよ。とても楽しそうですね。そちらの方は土方さんを嫌っているようだけれど」
廉斉がそういうと、二人が少し驚いていた。まさかたった今ので自分たちの関係が分かったのかと思ったのだ。
「えぇもちろんでさぁ。ちなみに俺は、副長の沖田総悟で」
「誰が『副長』だァァァ!副長は俺だって言ってんだろうが!!」
「なるほど。沖田さんですね。・・・副長じゃないとすると一番隊隊長ですか?」
この発言には心底驚いた。
「・・・・なんで一番隊隊長だと?」
「勘ですよ」
そう言うと廉斉はにこりと笑って見せた。がしかし、このままやり過ごそうと思っていた廉斉の考えは吹き飛んだ。
「アンタ、何モンでさぁ。さっきからアンタは『お姫様』という感じがしない。
代わりに俺達と同じ・・・・『血のにおい』がするぜ」
「まあ、どうしてでしょうね?」
廉斉はあくまではぐらかそうとした。しかしさらに今度は土方が追及しようとするとそこに場違いなのんびりした声がした。

「たっだいま〜。副長サーン、巡回行ってきたよ〜。・・・・ん?」

「ああ神威、お前か。ちょうどいい紹介する、今度真選組で預かることになった・・・」
土方が全部言い終わらないうちに、声の主神威は、言った。
「・・・廉斉?」
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