死姫

□第一話
1ページ/2ページ

「よし!みんな集まったな。それでは会議を始める!」

という近藤の声で、真選組の朝が始まる。・・・のだが、
ワイワイ、ガヤガヤ・・・と近藤の声を無視して隊士たちは自分たちの談笑をしている。が、それにもかかわらず近藤は話を続けた
「今日は幕府の命令で要人警護をする。しかしその方は、今日この江戸につくらしい。そこでおれたちの仕事だが・・・」
近藤は一旦そこでやめ、となりに座っている土方に声をかけた
「・・・トシ」
すると土方は、心得た様子でしゃべりまくっていた隊士たちにバズーカをお見舞いした。そしてようやく話を聞くようになった。
「今日は幕府の要人警護だ。その方は、今日江戸においでになるらしい」
「へえーマジッスかァァァ!?」
「よし、ようやく聞く体制になったな。それで俺達の仕事だが、ターミナルから江戸城までの身辺警護だ。いいか、ねずみ一匹とも通すな!」
近藤から仕事内容を聞いた隊士たちは、
「了解です!!!」
と身を引き締め、この任務を頑張ろうとしていた。

「ところで、近藤さん。その警護する方ってのはどんな方なんですかぃ?」
沖田がそう聞くと、ほかの隊士たちもそういえばそうだと思い、近藤に視線を投げた。すると、近藤は、
「あぁ。そのことなんだがな、どうやらそよ姫の話相手らしい」
隊士たちは唖然とした。
「その方はな、幕府のお偉いさんがたが、直々に招いたそうだ。それにかなりの美人らしいぞ」
そのことを聞いた隊士たちはおおぉぉぉぉぉ!!といっきに士気が上がった。
しかし沖田と土方は釈然としなかった。二人がそんな表情をしていることはつゆ知らず、隊士たちはやる気に満ちていた。
「よし!ではいくぞ!」
近藤の掛け声のもと、真選組は任務に出かけた。


ゴゥゥゥゥン、ゴオォォォン
船が着いた音と共に、隊士たちは、気をぐっと引き締めた。
そして船から、数人の人物が降りてきた。
隊士たちは、そのもの達を一目見るなり、おおっと声を発した。その5人は、二人が、まるで雪のような真っ白の髪、あとの二人はきれいな黒髪だった。
そして一番目をひいたのが、その4人に囲まれている一人の少女だった。
その少女は、足の膝までの長い銀髪に金色の目をしていた。
「あなたが、久旺様ですね?城までの身辺警護をさせていただく真選組局長近藤といいます」
近藤の声で隊士たちは我に返った。すると、銀髪の少女が、
「いかにも。私が久旺廉斉です。」
と答えた。その後簡単に挨拶をし、一向は江戸城へ向かった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ