ちょうへん
□対決
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※軽い性描写があります。ご注意下さい。
−−自分の気持ちに気づけなかった。
あぁ、神様どうか、夢なら早く覚めさせて下さい。
俺は悪い夢でも見てるのでしょうか。
「言っておくけど俺達」
「チアキのこと、本気だから」
…と言われてから早三日。
俺は毎日二人に迫られている。
昨日は優、今日はトリ、毎日毎日。いい加減俺の気が休まらない。
此処って俺の家だよね…?
俺の思考回路も正常じゃなくなってしまったのだろう。
だからあんな事を言うはめになったのだ。
それもこれも全部トリと優のせい。てゆーか誰かのせいにしていないとやってらんない。
そうして俺は、自分の運命を大きく変える事となる言葉を言ってしまう。
「じゃ、じゃあさ!俺が一緒にいて楽しいと思った方を俺の契約者にする!」
俺のその提案に二人は反対する訳もなく…
「上等だ」
「羽鳥には負けないからな」
俺が自分の首を自分で絞めた瞬間だった。
*
「チアキ、飯食うか?」
「う、うん!」
どちらかなんて選べる訳無いじゃないか。(俺が言った事だけど。)でも俺にとっては二人とも大事な親友で…どっちも好きなのだから。
あえて言うなら優とは気が合って話してても楽しいし、トリはトリの作るご飯が好き。さりげなく俺を気遣ってくれる優しいとこが好き。トリの優しく俺を呼ぶ時の声が好き。頭を撫でてくれる所が好き。それから……
「あぁぁぁーーーっ!!?」
(なななんで俺、トリの事ばっか考えてるんだ!?おかしい、おかしいぞ俺!!)
わしゃわしゃと自身の髪を掻き回す。
「チアキ?どうしたの?」
「なんでも無いっ!早く飯食おーぜ!」
*
「……き……チアキ!」
「…んー……。トリか……って!ト、トリ!?」
相も変わらずトリと優は毎日かわりばんこに家に来る。
そして今日はトリの日。
トリが眉間にシワを寄せる。
「俺じゃ悪いか?」
「い、いや…全然!悪くないです………」
何故かあの日から俺はおかしい。いや、正確に言うならば俺の心臓が、なのだが。
トリの顔を見るといつもより心臓が早くなる。
(俺、病気なのかな……)
不安になり、服の上から胸の辺りを触った。
「何やってんだ、チアキ」
「…なんか…俺最近おかしくて………」
心臓が。と言おうとした所で口を塞がれた。
「っ!?……んっ…んん…」
「トリ!?何すんだよっ!?」
「…なら俺が見てやる」
「何言って………」
トリは俺をソファーに押し倒した。
*
「んぅ……あ!や、だ……ト…リ……」
「嫌じゃないだろう?こんなに反応してるくせに」
そういってトリは俺のものを口から出し入れしたり敏感な所に歯を立てたりして俺を追い上げていく。
トリの口からぐちゃぐちゃと聞こえ頭がおかしくなりそうだった。
「あ、ぁ……や、ぁ−−−−!!」
呆気なく俺はトリの口の中で達っした。
(なんでこんなことすんだよ…トリなんて……)
「トリなんか嫌いだ!!」
「!!待てチアキ…チアキ!」
俺はトリの制止の声も聞かず部屋を飛び出した。
(心臓壊れるかと思った……)
俺は体の熱を冷ますため公園まで行き、ベンチへと腰を下ろした。
肌に当たる風が心地好い。
俺はケータイを取り出し二人へメールを送信した。
『しばらくうちに来ないで欲しい。ちゃんと考えたいから。』
小さな決意。