ちょうへん
□デリカシー
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「なぁ、お前らって歳いくつ?」
神様、こいつ…殴っていいですか。
高野さんが突然皆に集まってくれ、と言った。
だから俺は言われた通りに皆を集めた。
まではいいのだが……
俺は真剣な話をされると思っていた。だが、聞かれたのはお前ら歳いくつ?
ありえないだろっ!!?
俺の怒りが伝わったのかショウタさんがすかさずフォローする。
「んー…高野さんにはいくつに見える?」
すると高野さんは即答した。
「お前は中学生に見えるな。」
「………」
ピシリ、とショウタさんが固まった。だがすぐに肩を震わせ俺に問うた。
<ねぇ…律っちゃん。こいつ殴っていいかな!?いいよね!?>
ショウタさんが怒るのもそのはず。だって俺達は個人差はあるが、20歳前後で成長が止まるのだから。
まぁ、ショウタさんは外見が可愛らしいから高校生に見えてしまうが。
そんな状況でも空気を読まない人が約一名。
「じゃあ高野さん、俺は〜?」
…チアキだ。
「お前は(精神的に)幼稚園児だな。」
「……………」
チアキは暫くの間硬直したままだった。
高野さんに心を折られた二人。
「ショウタさんは若々しいだけですよ!!」
「…ぐす…ぅ゛ん……」
「チアキ、お前は心が若々しいだけだ!」
「トリぃ…ぅっう…っ……」
そんな二人を宥める二人。
この場には成人男性が大泣きし、それを宥める成人男性…と、とてもシュールな光景が広がっていた。
そしてまた、高野さんが口を開く。
「そしてリツ…お前は…」
パチーンッ!!
「ぐはっ!?」
俺は思わず高野さんを殴った。
「…高野さんっ…貴方は何様ですか!俺様ですか!?人にはね!聞いていいことと悪いことがあるんです!!あんたにはデリカシーと言うものが無いのかぁ!!?」
俺は一気にまくし立てたため、息が切れはぁはぁ、と肩で息をする。
その光景に当たりは呆然とするしかできなかった。
「律っちゃんかっこよかったよ!!」
「リツ!俺達の無念を晴らしてくれてありがとう!!」
俺が高野さんを殴った後、特に何も言って来なかったので解決したかと思った。
………が!!
「お前らって何年生きてんの?」
「…それじゃあ聞き方変えただけだろーがっ!!」
デリカシーの問題
(うわあぁぁんー)
(律っちゃぁぁんー…ぅう…)
そして二人はまた泣かされるのだった。