京流…U

□愛してるなんか言わない
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またバレンタインが来るわ
ルキは、甘ったるいもん
作るねんやろ

気分わるなるいうてるのに
作って来る

頭弱いから
しゃーないけど
食えるもんにしてほしいわ

「あ、京さんお帰りー」

「死ぬほど寒かったわ」

「ホットチョコレート
作ったんですよ。飲みます?」

「甘いんか」

「甘さは…わかんないです!」

「ルキのは吐く程、甘いから
嫌や」

「そんなことないですって!」

「気分悪なったら
責任取れや」

「仕事休んででも看病します!」

「やっぱりアホやろお前」

「アホじゃないです
京さんオンリーなんです」

「きしょい」

「酷い!」

「ひどない」

「好き、愛してる!」

「そうかそうか」

「京さんからも聞きたいです」

「言わな、解らんとか
終わっとる」

「聞きたいんです!」

「嫌や、言わん」

タコみたいな顔して
温め直したチョコレートを
僕の前に差し出す。

「あかん、吹いてまう
その顔」

「何言われても愛してる!」

あまりにも煩いから
一口、口に入れて
ルキの頭を強引に寄せて
しばらく見つめて
口移しで飲ます

「甘いわ、アホ、ルキ」

愛してるなんか言わん
言わんでも解るやろ?
言わなあかんような
関係はいらへん

愛してる言うのは
ルキだけでええ
僕に向かって真っ直ぐな
ルキだけで。

END

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