京流…U

□平和な日常
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「京さん
帰ってたんですか?」

「1時間前に」

「ご飯食べました?」

「まだ」

「なんか作りますね!」

キッチンに立つルキを
眺めながら思う
男で華奢やのに
よう家のことやるなっと。
そな、強制もしとらんし
勝手にやっとるんけど
やから勝手やらせてん。

「あ…米切らしてました…
パンでもいいですか?」

「毎回言うとるで
買っときやって」

「すみません…。
京さん!見てください!」

またなんかかわええ
皿とかなんやろ
ルキはマグカップを
僕の前に置き
どうです?と聞いてきた。

「なん、またシールなん?」

「今回は違います!」

「ほうか」

見もせずにタバコを吹かす。

「ちょ、見てくださいよ!」

「いつもの有名なクマやないか」

「それがバーコード送ったら
当たったんです!」

無邪気に笑う顔は
詐欺やけど
子供みたいやけど

僕が好きなんは
もっと深いとこやねん
…せやけど
それは言わへん
一生。

END

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