京流…T

□美しい朝と優しい夜
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懲りもせんと
ルキは貢ぎつづけとる
ええ加減止めればええのに
なんでおんねんやろ

「京さん、
お金置いておきます」

ソファに座ったまま
タバコを吸いながら
問いかけて…何がしたいん?

「なぁ、お前は
なして僕に貢ぐん?」

「…京さんと
どんな形でも繋がって
居たいからです。
俺にはアナタしか居ないから」

なんで其処まで
思えるん?
僕の何が好きなん?

悲しそうに笑い
部屋を去るルキを
腕つかんで
ベッドに放り投げた。

「は、僕の
近くに居たいん?
何の得にもならへんのに
アホやろ、お前」

「アホでもアナタの側に
居れたら何も要らないです」

とことんアホなやつやな

ルキの上から覆い乗って
顔を近づけ、キスをする。
驚いた顔をするルキに
僕は笑った。

「そんな顔せんでも
ええやろ?」

「…優しいから…」

「たまにはええやん」

「…そうですね」

泣き顔もかわええって
思えてきたから
多分やけど
僕は
頭が沸いてきたんやろな
ええか…
ルキと堕ちる覚悟は
まだやけど…
時間は掛からへん。

薄く明ける夜と
美しい朝が最上階の
一枚ガラスから
優しく見えた。

END

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