京流…U

□気づいた本当の気持ち
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大佑とのインタビューの後
あのガキを呼び出した。
何がしたいわけでもないんやけど
ムシャクシャするん止めたくて
しゃーない。

時間通りにガキは来た。
怯えきった顔で僕を見る。

「なん、言いたいことあるんなら
言うたらええやん」

「…いえ…大丈夫です…」

今日は暴力振るう気分ちゃうし
ただ、ひとりで居るんが嫌なだけ
ルキとこんな関係になってから
リスカもせんようになった気がする

「なぁ、お前は僕と離れたないん?」
「それは絶対にないです」
「なんで?」
「愛してるからです
どのファンよりも
京さんを愛してるから…」

その話をするルキの顔は
輝いて、恋する乙女ばりに
気持ち悪い。

「…すみません…生意気ですよね」
「別にええし、聞いたん僕やから」

ルキと居ったら
落ち着くん
今日はよう眠れる気がする

「…京さん…?」
「…」

………………

「ん…朝か…」

起きるとルキが横におって
泣いた跡のまま寝とった。
そんでウルサイ携帯を止めたくて
ルキを起こす

「起きや」
「…京さん…」

甘えてくるルキを押しのけ

「携帯、うるさい」
「え、あ!雑誌の取材がっ」

アホなところも許せそうやわ

「京さんすみません!
次はちゃんとお金持ってきます!」

忙しそうにしてるルキの手首を掴まえ
泣いてた理由を聞きたかった

「お前、なんで泣いたん?」
「…京さんのこと想い過ぎたんです」
「アホ」

引っ張り込んで
ありがとうは言えんから
キスで返す

「…今日も1日頑張れそうです!」
「きしょい」

玄関先で
明るく行ってきますと
ドアを閉める音がした

お金なんかホンマは要らん
ルキに何してきてんやろ僕
アホなんわ、僕やん…

END

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