Fate/Zero・stay night
□お久しぶりです。 5次アーチャー
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ピーンポーン♪
軽快なインターフォンの音の後、落ち着いた足音が近づいてくる。
あれ…士郎ならもっと…こう…ドタバタな感じなんだけどなぁ…
そんなことを考えていたら、目の前の扉が開いた。
そこにいた人物は、私を見て目を見開いていたけど、私も負けじと驚いていた。
我に帰った私は、慌てて表札を確認した。
衛宮…
うん、確かに幼なじみの衛宮士郎君の家だ。
「現実逃避中のようだが、ここは衛宮士郎の家で間違いない」
表札の前に立っていた私の後ろには、先ほどの外人さんが。
褐色の肌に白っぽい髪…うん、明らかに私たち日本人とは違う。
って…日本語上手いな…
「あ…えっと……士郎のお友達ですか…?」
私の問いを聞いて眉間に皺を寄せた外人さん。
「あれと友達などという関係にされては心外だな…」
あー…士郎と仲悪いんだ…
でも、そんな人が何で士郎の家にいるんだろう?
「あの…士郎の友達じゃないのに、どうして士郎の家にいるんですか?
もしかして……どろぼ…」
全て言い終わらない内に、外人さんが私の口を手で塞いだ
「大きな声を出されては、周りの家に迷惑なのでね」
確かに私は叫びそうになってはいたが、まさか先を越されるとは…!!
私が必死に頷くと、外人さんはやっと手を離してくれた
「ふぅ……」
日頃、異性と過度な接触をしない私にとっては、口に手を当てられるだけでもテンパる
「私のマスターが衛宮士郎の家で世話になっているので、仕方なく私も付き合っているのだよ」
マスター…?
とにかく、この外人さんは士郎の家に最近住み始めたのか。
「そうだったんですか…
あ、私、士郎の幼なじみの苗字名前と言います」
自己紹介がまだだったと気づいて、慌てて頭を下げた
「……知っているとも…」
「…何か言いましたか?」
「いや…私の名前はアーチャーだ」
アーチャーさんが何か言った様に聞こえたけど…
まぁ、いいか。
「アーチャーさんですか…
あ、士郎はいますか?」
本来の目的を忘れる所だった!
「衛宮士郎なら、私のマスターと出かけている」
「え…、そう…ですか……」
うーん…家に上がって待っていたいけど、アーチャーさんしかいないなら、やめた方がいいかな…?
一人でウンウンと悩んでいると、アーチャーさんが私の腕を掴んでいた。
「上がっていくんじゃないのか?」
どうしてこの人に見透かされてしまったのかとか、何となく士郎と似ているなぁとか…色々考えることがあったけど、気づけば自然と頷いていた。