Fate/Zero・stay night
□運命的な出会い 5次ランサー
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ベタな出会いだったと思う。
「そこの嬢ちゃん、これ落としたぜ。」
嬢ちゃんが私を指すのか、あまり自信はなかったが、周りに私以外いなかったので自然と振り向いていた。
視線の先には私のハンカチ。
ここまでベタだと感動する。
そして視線を上げれば、青い髪と鋭い赤い目が特徴的な男性だった。
その瞳を見た瞬間に、捕らえられたかの如く、そこから動くことができなかった。
つまり見惚れてしまったのだ。
「おーい?大丈夫か?」
固まってしまった私は、目の前の人の声で我に返った。
「あっ…えと…ありがとうございます…」
怖ず怖ずとハンカチを受け取った私を見て、その人は明るく笑った。
「いいってことよ!
んじゃ、これから気をつけろよ。」
そう言って踵を返して去って行った。
アロハシャツではあったが、後ろ姿はかっこ良かった。
イケメンは何を着ても決まるんだと実感した。
……詰まるところ、恋に落ちたのだ。