氷菓(原作沿い)
□15.臆病者の見解
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翌日、折木君に電話をしようか迷っていると、不意に鳴り出した電話に慌てて出てみると、まさかのタイミングで折木君だった。
「昨日の件で、補足することがある。
これで決着になるだろう。地学講義室で待っている。」
挨拶もそこそこに伝えられたその言葉に、折木君も気づいたのだとわかった。
『お、折木君…!
私も…実は昨日、気になることがあって…。
でも…あの時言えなくてごめんなさい。』
「やっぱり何か気づいてたんだな…。」
『えっ…!?』
「何となくな…何か言いたそうにしてただろ。」
まさか折木君に気づかれてたとは思わなくて、『あー…うー…』とか妙な言葉しか出て来なかった。
「…じゃあ、他の奴らも呼んでるから、学校で苗字の考えを聞かせてくれ。」
『わかった。』
「じゃあ、学校で待ってる。」
電話を切ると、それまで体に力が入っていたようで、ふぅと空気が抜ける様な感覚を覚えた。
しかし、何だかソワソワと居ても立ってもいられなくなったので、早いかとも思ったけど直ぐに準備をして学校に向かった。
とにかく、今日で全ての謎が解けるはず。