氷菓(原作沿い)

□8.壁新聞部部長の秘密
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えるちゃんの言葉で、本題に入ることができた。

いやはや…つい暴走してしまった…。


「それでお前らはおかしいと思わなかったか?
何で遠垣内は部屋に鍵をかけていたのか。」


「要するに誰にも邪魔されなくなかったんでしょ、特集記事を練ってるって言ってたじゃない。」


「じゃあ、準備室の様子はどうだ?
窓を開けて、扇風機を回してた。」


「暑がりだと思ったけど。」


『でも…それにしては、置き方が不思議だったよね…。』


「「置き方?」」


えるちゃんと摩耶花ちゃんは首を傾げていた。


いや…あんまり自信はないんだけど…。


折木君の方を見ると、驚いた顔をしてた。


「よく気がついたな…。」


『う、うん…準備室の扇風機の配置を思い出したら、涼むのにはちょっと不自然かな…って思ったの。』


「(よく覚えていたな…。)
そう…、暑いのなら窓側に扇風機を置けばいい。
だが扇風機は窓の反対側にあった。
あの位置だと、重しがわりの缶ペンケースをうっかり動かせば、テーブルの上のB1用紙が吹き飛ばされかねん。」


摩耶花ちゃんは苛々した様子で髪をかきあげた。


「だからなによ。」


「わからないか?
遠垣内が何をしたかったか。」


「そこまで言われればわかるわよ。
換気でしょ。
空気を入れ換えたかったんじゃないの?」


折木君は摩耶花ちゃんに向かって親指を立てた。
摩耶花ちゃんはと言うと、面白くなさそうに折木君から視線を逸らしてしまった。


「で、何で空気を入れ換えたか。
もっと言おうか。
なぜ、教育界の重鎮の家に生まれた遠垣内は、部屋で一人きりになるに当たって、ドアに鍵をかけ、赤外線センサーを設置し」


えっ…?
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