Fate/Zero・stay night

□お久しぶりです。 5次アーチャー
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「君にとっての衛宮士郎とは、どんな存在だ?」


それまで黙座していたアーチャーさんが、不意に口を開いた。


「えっ…私にとっての士郎ですか?」


突然の質問におうむ返しをしてしまった。


「あぁ…君が私に士郎との関係を聞いた様に、私にも聞く権利はあると思うのだがね」


そんな言い方をしなくても、聞いたら教えるのに…

アーチャーさんのそんな振る舞いについ笑みが零れてしまった。


「私にとっての士郎は…そうですね……頼りがいがあるんだけど…それが偶に危なっかしくて、自分の理想の為に自分が傷ついてる…そんな奴です…
だから、私が側で支えてあげないと!って思ってます。
士郎がたくさんの人を思って支えている様に、私も士郎を支えたい…

きっと士郎は嫌がると思いますけどね!」


私が言い終わってアーチャーさんを見ると、どこか寂しげではあるんだけど、安堵の表情を浮かべていて…
要するに、複雑な表情だった。


私はその真意を探ろうと首を傾げてみるが、アーチャーさんは説明してくれる気はなさそうだ。


「いや、何…衛宮士郎という人間をよく理解しているのだなと…舌を巻いていたよ」


後半は調子が戻ってきたのか、茶化す様な科白を吐く


「そりゃあ、付き合い長いですし…
それに、士郎だけじゃなくてアーチャーさんもそんな感じがします」


「!!……私も…かね…?」


アーチャーさんはどこか戸惑っている様にも見える。


「はい、なんか…士郎とアーチャーさんって似た者同士ですよね。
会って間もない私が言うのもあれですけど…」


アーチャーさんはまた複雑そうな表情をした後、喉を鳴らして笑い始めた。


「えっ…あの……どうしたんですか…!?」


特に面白いことを言った自覚も無いのだが…何か言ったのか!?


「いや…君にはいつまで経っても敵わないと思い知らされただけだ」


「……いつまで経っても…?」


「こちらの話だ、気にしないでくれ」


そう言われてしまっては、これ以上聞くに聞けない。

と言うか、聞きたくても、その先は私とは掛け離れた領域の様な気がする。

そう…最近の士郎の様に…


気づかないフリをしてるけど、最近の士郎の様子がおかしいのは感じていた。

でも聞くに聞けなかった。
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