Fate/Zero・stay night
□お久しぶりです。 5次アーチャー
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「お邪魔します…」
アーチャーさんに促されるままに靴を脱ぎ、揃えることも忘れない。
「適当に腰掛けていてくれ」
勝手知ったる他人の家と言った所か…アーチャーさんは迷いなくキッチンの方へと歩いて行く。
まぁ、私も人のこと言えないか…
ソファに座ってお気に入りのクッションを抱きしめた。
これが私の衛宮家での標準装備だ。
暫くボーッとして待っていると、いい匂いで我に返った。
「紅茶だ…!」
私の好きなダージリンだった。
あれ…でも士郎は私が紅茶好きって知らないはずだけどな…
何たって最近ハマったんだから。
だから、衛宮家にダージリンがあるなんて思いも寄らなかった。
「紅茶には自信があるんだ」
紅茶を私の前に置く時に、不敵に笑って見せたアーチャーさん。
美形なのも相まって、カッコよかった
一瞬高鳴った胸の鼓動を落ち着かせる様に、紅茶を一口飲んだ。
「えっ…凄く美味しい…」
あまりの美味しさにビックリしてしまった。
いくら、紅茶の淹れ方が上手くてもここまで美味しくなるものだろうか…
「口に合ったなら何よりだ」
そう言うと、彼も私の向かい側に腰掛けた。
「アーチャーさんもダージリン好きなんですか?
士郎は緑茶派だったと思うんですが…」
「あぁ…ある人物の影響でね」
アーチャーさんは、意味深な笑みを浮かべながら私を見遣った
「そうなんですかぁ…」
そこからはお互いに特に話すこともなく、紅茶と一緒に出されたお茶菓子を堪能していた。